岸まつえ 平和と希望のまち新宿をつくる会

岸まつえ図書室

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岸松江@つぶやきタマゴ 連載・30

短時間勤務と昇給抑制

月刊女性&運動2014・6

育児介護休業法に規定されている短時間勤務制度を利用し、通常8時間勤務のところ1日6時間勤務していた障害児施設の看護師など女性職員の昇給について、一律に8分の6をかけた号俸数としたのは違法無効であるとして、本来の号俸数にもどすことなどを求めた裁判を、先日提起しました。(この職場は賃金表の号俸数で給与額が決まります。)

第1回期日に原告たちが意見陳述しました。

原告たちは、出産後復職し家事育児との悪戦苦闘のなかでイライラを子どもにぶつけ自己嫌悪になったり、子どもが不登校やチック症になったりするなか、仕事を続けることに不安を感じていました。そんな時に短時間勤務制度が導入され利用しました。6時間勤務により給与も賞与も減額されましたが、心に余裕を持てるようになり子どもたちも落ち着いてきました。

ところが、事業者は、就業規則の定めに反して彼女たちの昇給を一律に抑制したのです。そんな扱いは許せない、次に続く世代のためにも泣き寝入りしたくない、彼女たちの声が法廷に響きました。

裁判後、男性も含め支援の仲間たちの多くが激励しながら涙を抑えることができないでいました。それは、同じように子育てする大変さやせつなさをかかえ誠実に働いている者として込み上げる涙でした。私ももらい泣きしてしまいました。

短時間勤務であるという理由で、勤務実績にかかわらす一律に昇給を抑制するというのは、賃金の減額に加え二重の不利益です。この昇給抑制には、短時間しか働かない者は一人前でないという発想が背景にあります。こうした発想は、家庭責任を負う多くの女性たちを非正規雇用に追い込み、あるいは昇進昇格から排除してきた日本企業に共通するものです。長時間働く者だけが評価されるという発想を変えなければ、男女労働者が仕事も家庭もバランスをとつて働く社会は実現しません。

裁判を決意した原告たち、支援している職場や組合の仲間ってすばらしい!私にこういう仕事をさせてくれてほんとうにありがとう!

(弁護士)

※「つぶやきタマゴ」は小さな「つぶやき」を温めて新しい何かが生まれたらいいなという思いをタイトルに込めました。

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