岸まつえ 平和と希望のまち新宿をつくる会

岸まつえ図書室

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岸松江@つぶやきタマゴ 連載・24

心の中にある「壁」

月刊女性&運動2013・7

知人から「自己啓発」に関する小冊子を勧められたので、通勤電車の中で読んでみました。要するに「気持ちの持ちようで夢が実現できる」という内容で、全部正しいとは思わないのですが、心の中にある「壁」についての以下の記述には考えさせられました。

夢を実現するための第1ステップの章で、こんな話が紹介されています。

最初頑丈な杭につながれた象は、いくら抵抗しても杭から逃げられず「もう逃げられない」と思い込みます。一度そう思い込んだ象は、小さな杭に細いひもでつないでも、もう逃げようとしないそうです(真偽は不明ですが)。

人も同じように「自分には無理」「やってもできっこない」という心の「壁」があると十分に能力を発揮することは難しくなる。だから、この心の中の「壁」を取り除いて、潜在意識をプラス思考にすることが夢をかなえるための第一歩だというのです。

確かに私たちにはたくさんの心の「壁」があります。「女性は家を守り、男性が仕事をする」といういわゆる伝統的役割分担意識もその一つです。

私にも経験がありますが、子育て中の女性は、子育ては自分の責任だと思っているため子どもに問題があると自分を責め、仕事を続ける自信も失ってしまいがちです。また、子育ての負担から職場で責任ある役目を引き受けることを躊躇します。

夫も女性が子育てすべきだという態度で接し、職場も家庭のある女性は補助的な仕事しか任せないという意識があるため、結局、女性の仕事の幅が狭まってしまいます。女性自身も「自分はこれくらいでいいのだ」と思い、自ら心の「壁」を築いて能力を眠らせてしまうのです。反対に「男性は仕事さえすればいい」という意識も男性の多面的な能力発揮を妨げる「壁」となります。

この心の「壁」は、たくさんの人が自分の能力を豊かに開花させる機会を奪っていると思います。子育ての負担をもっと社会全体で分かち合い働きやすくなり、人々の心にある「壁」がなくなったら、私たちはもっと様ざまなことにチャレンジしていけるのではないでしようか。

(弁護士)

※「つぶやきタマゴ」は小さな「つぶやき」を温めて新しい何かが生まれたらいいなという思いをタイトルに込めました。

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