岸まつえ 平和と希望のまち新宿をつくる会

岸まつえ図書室

このエントリーをはてなブックマークに追加

岸松江@つぶやきタマゴ 連載・23

子どものいじめ・体罰に思う

月刊女性&運動2013・6

繰り返されるいじめや体罰による子どもの自殺・ニュースを聞く度にため息がでます。

ただ、自状すると、私も長男が小さかったとき、イライラして手を挙げたことがありました。仕事を抱えながら、家事に協力的でない夫への不満、思い通りにならない子育て、息つく暇のない毎日のなかで、積もったストレスが沸点に達すると、子どもに当たっていました。

そんな私が子どもに対し、絶対に手をあげるのは止めようと決心させたものがあります。「子どもの権利条約」です。

全教の先生方が作ったリーフだったと思います。子どもの権利条約を紹介していて、子どもたちが健やかに成長する権利を持ち、差別や虐待から守られなければならないこと、自由に意見を表明する権利などがあることを知りました。

子どもも1人の人間として尊重されなければならないとしたら、私が子どもをたたくということは絶対に許されないと思いました。夫と、家庭の中で手を挙げたり怒鳴ったりすることはやめようと話し合いました。

それからは、私は子どもが自分の思うようにならないとき、「じゃあ○○ちゃんはどうしたいの?」と間くようになりました。すると子どもは自分なりの理屈を話すので、私も自分の考えを冷静に話すことができるようになり、カッとすることも少なくなりました。

こうして、私の家庭では子どもへの体罰はなくなりました。そして私は子どもに対しても、他人を傷つけてはいけないと教えてきたつもりでした。

ところが、息子が中学生のとき、息子が同級生からお金を恐喝したということで学校から呼び出されたことがありました。私は、もうびっくりして、どうしてそんなことをしたのか息子に強く問いただしました。

息子は、自分はそんなことはしたくなかつたけれど、自分より強い子に脅されてやってしまったと話してくれました。私は、そのとき、努力して自分の子どもについては暴力のない家庭を築いても、それだけでは本当に子どもを守ることができないと思い知らされました。学校や社会全体から暴力をなくさないとだめなんだと、子どもを通じて社会への目を開かされたのです。

その事件は今も苦い思い出ですが、今の私の仕事への思いを支えている出来事の一つでもあります。

(弁護士)

※「つぶやきタマゴ」は小さな「つぶやき」を温めて新しい何かが生まれたらいいなという思いをタイトルに込めました。

▶ 目次ページへ

Copyright © 2014 岸 まつえ All Rights Reserved.