岸まつえ 平和と希望のまち新宿をつくる会

岸まつえ図書室

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岸松江@つぶやきタマゴ 連載・17

日本を支える「非正規労働者」

月刊女性&運動2012・11

どんな細胞にもなりうるIPS細胞を作り出した山中伸弥教授のノーベル賞受賞のニュースに接し、今後の難病治療に大きな希望を感じました。

一方で、山中教授が所長を務めるIPS細胞研究所の約200人の所員のうち、9割は有期雇用の「非正規社員」だという報道がありました。

山中教授は、ノーベル賞の賞金や自らマラソン大会に出て集めた募金などを研究者の雇用確保に使いたいとも語っています。受賞後のインタビユーでも「(研究所の)9割は有期雇用で非常に不安定。そのメンバーのおかげでノーベル賞につながった。なんとか正社員雇用を提供するため頑張りたい」「正社員雇用できるよう国にお願いしていきたい」と話していました。画期的な成果のかげに多くの非正規社員の力があったのですね。

非正規雇用といえば、私立高校の「非正規」先生が全体の36.8%になったそうです(2011年 文科省調査)。公立高校でも19.7%と、教師の5人に1人が非正規で働いています。女性労働者の54.7%が非正規で働き、20代前半の若者の45.1%がやはり非正規雇用です。

この国では、あらゆる職場に非正規雇用が広がり、最先端技術の現場や将来を担う子どもたちを教育する学校現場にも及んでいるのです。

非正規雇用の多くが有期労働で、細切れ雇用を繰り返しています。更新されないことを恐れて、有給休暇もとれない、セクハラやパワハラを受けても抗議しないでじっと我慢。正規労働者と同じ仕事をしていても給料は少なく、しかも何かあれば一番先に首切りされる不安定な身分です。

非正規など様々な雇用形態で働いている社員がいる職場にはパワハラが起きやすいという調査もあります。雇用者が非正規を雇用する最大の理由は「人件費削減」です。非正規労働者を雇うことで安易に人件費を削ろうとする経営者の姿勢が、職場環境を悪化させパワハラを発生させる要因になるのだと私は考えています。

科学者も先生も女性も若者も、劣悪な条件で働かせておいて、いらなくなったら簡単に切り捨てる…。やだやだ…そんな働く人を大切にしない会社や国に明るい未来があるのでしょうか。

ノーベル賞受賞を支えた「非正規労働者」のニュースに、やっぱり職場を変えなきゃと思いました。

(弁護士)

※「つぶやきタマゴ」は小さな「つぶやき」を温めて新しい何かが生まれたらいいなという思いをタイトルに込めました。

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